
雨期雨期する季節がやってまいりましたね・・・・・(-。-;)
今日もPOR-15で手が真っ黒なGAHAKUです、ごきげんよう。
[プロローグ]
1997年にカリフォルニアのコスタメサでみつけたファルコン号。当時は見た目も中身もボロボロでしたが、カサカサの気候のおかげでほとんど錆びはなく、シロウトが面白半分に直すには“オイシイ”コンディション。で、連れて帰ってきたのが1998年。

↑初対面。1997年カリフォルニア州コスタメサにて。
2001年には身分不相応にも有名スゴ腕ボディショップ「ムーンオート」でバリピカにボディをフルレストア! が、その2年後に赤信号をぶっちぎったオバハンに交差点で左側面から直角に激突されて、車体が「く」の字に折れるほど大破!! で、現在のボディは2004年に「ムーンオート」が超絶修理テクニックを駆使して元々のカリフォルニア育ちのボディにミシガン&イリノイ育ちの左側面を合体させたチャンポンでございます。

↑平成の大修理。もはや“椎名林檎のベンツ”状態! 「ムーンオート」の超絶スゴ腕修理テクニックを目の当たりにして「オレはこの人に一生ついていこう!」(どこへ?)と心に決めたのでした。この時の「事故から復活までの物語」だけで本が2〜3冊書けるほどネタがテンコ盛りですがここで本2〜3冊書いてるワケにはいかないので、また別の機会に。
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そんな波乱万丈の車生(?)をくぐり抜けながら、高温多湿な気候のこの国で13回目の梅雨を迎えようとしているファルコン号。遠目にはキレイに見えるボディも、近くで見るとあちこちの塗装が「錆びのカサブタ」でブクブクと膨れ上がり、パネルの継ぎ目からは怪しい「錆び汁」が垂れた跡・・・・・(汗;)
というワケで、関東地方梅雨入り最後の好天に恵まれた日曜日。翌日からの雨期に備えて徹底的に錆び対策を施したのです。
↓今回の主役はコレ。POR-15ラストプリベンティブペイント!

某錆び取り雑誌でアマチュア・レストアラーの間ではすっかり有名になったアメリカ製の錆び止めケミカルで、塗料の一種。ワタクシはすでに10年前から愛用しているヘヴィーユーザーでございます。エンジンを載せ換えた時はエンジンルーム全体をPOR-15で完全に塗り固め、エンジン本体もPOR-15を塗った上からフォードブルーを重ね塗り。以来、ファルコン号のエンジンルームは錆び知らず♪ オイル汚れはヒドイですが・・・・
錆びは空気中の酸素が鉄と結びついてできる訳ですが、通常の塗装には目には見えないけど空気ぐらいは平気で通ってしまう穴が開いていて、塗装の下の鉄は無防備に空気に晒されている状態。が、POR-15は水も空気も通さない、いわば「完全無欠の塗料」。錆びの上から塗って錆びの進行を食い止めよう、という仕組みです。ツルツルの下地には密着しないので、むしろ「錆びてなければ錆びさせてでも塗らなければいけない」みたいな(!?)。
この「錆びの上から塗れ!」という乱暴さに最初はちょっと抵抗があったのですが、使ってみるとコレは便利♪(^_^)
錆び止めの常識は「まず錆びを徹底的に取り除く」のが鉄則ですが、神経質になって鉄の奥に食い込んだミクロの錆びと格闘しても込み入った所や手の届かない所の錆びが取り切れるハズもなく、POR-15を知る前はどうがんばっても必ず再発する錆びに何度徒労感を覚えたことか(-_-;)
POR-15のいいところは、なんといっても「錆びの上からペタペタとハケで塗れば二度と錆びが再発しない」というお手軽さ♪ 「ラクをするための道具を開発する努力は惜しまない」というところが、とってもアメリカ製っぽくていいです♪
と書くといいとこだらけのように思えますが、欠点もいっぱいあります。
まず、見た目がキタナイこと・・・・(-_-;)
色は黒、シルバー、無色の3種類がありますが、無色じゃ塗り残しそうだし、錆びを隠すのにシルバーかよ? って気もするし。で、世間でもPOR-15といえば黒、と決まっているようです。が、見た目が悪いので外から見える場所にはあまり塗りたいものではありません。また、完全に固まってしまうとラッカー系の塗料を重ね塗りすることができなくなるので、外装に使う場合は専用のプライマーが必要です。
次に、取り扱いがけっこう面倒なこと。
POR-15のセールスポイント「強固な塗膜」が逆にアダとなり、手に付くと一週間は取れない・・・のはいいとして、使いかけの缶にフタをする時に缶のフチを少しでも汚してしまうと二度とフタが開かなくなってしまいます。それだけならまだしも、一度でも空気に触れたPOR-15は急速に固まってしまうので、基本的には一度開封したらできるだけ早く使い切るのが鉄則。缶に直接ハケを突っ込むのも厳禁です。使う時は必要な量だけ別の容器に取り分けてから。

さらに上とも関連しますが、値段がけっこう高いのです。
缶のサイズは100ml(\1417)、500ml(¥5197)、1000ml(\7560)、3000ml(\19950)の4種類がありますが、基本的に一度開けたら長期保管はできないので、ちょっとしか使う予定がないのにデカい缶で買ってしまうと残りが無駄になって勿体無いことに。。。。
今回はお得な「100ml3缶セット(\4147)」をチョイス。割安だし、小分けされているのでちょっとずつ使うのに便利♪
では、始めます。まず、トランク周辺。
トランクの両サイドはボディとクォーターパネルの継ぎ目になっていて、特に酷く錆びているのが、6年前の事故修理の時に熔接し直した継ぎ目。熔接で熱を加えられた鉄が錆び易くなってしまうのは仕方のないことですね。
それから、トランクの周囲をグルッと取り囲んでいるウエザーストリップがハメ込んである溝もヤバイ! この溝には水の抜け道がない上、発砲ゴムのウエザーストリップが常に水を含んで湿っている状態(-_-;)。こんなもの、要らないやっ! と、これを機にウエザーストリップは捨てることにします(^_^;)
で、錆びのカサブタをガリガリ・・・・。気持ちいい〜♪ カサブタの下からは見事に育った錆びのカタマリがコンニチワ(^_^)。





ワイヤーブラシで浮き錆びだけ軽く落としたらPOR-15をペタペタ塗って、はい、オシマイ♪ トランクを閉めてしまえばもう見えません。外から丸見えのトランク表面の錆びは・・・・・・今回は見なかったことにします(^_^;)




次、ドア周辺。まずはドア本体。
ドアはウインドウの隙間から水や埃が入ってしまう上、それらが底に部分に溜まって錆び易い所。オマケに、常に湿った内張りがフタをしている、という最悪の環境。というワケで、これを機にドアの内張りも要らないっ、と、捨ててしまいます。このほうが風通しがいいや♪

↓内張りは常に湿っていてブヨブヨ・・・(-_-;)

↓内張りが接してした所は大変なことに!(・_・;)

底に溜まった錆と埃の交じったヘドロやボロボロになった防音材の破片などをガリガリと掻き出して掃除機で吸っていたら、ヨメに「家で使う掃除機をそんなことに使うな〜っ!」と怒られたので、慌ててリサイクルショップに中古の安い掃除機を買いに(汗;)

で、POR-15をペタペタ塗って、はい、オシマイ♪


ドアの周囲のボディ側は(外から見る限りは)やはり6年前の事故修理で熔接し直した左のBピラー付け根と、クォーターパネルとステップの継ぎ目がヤバイ・・・・・・。カサブタをゴリゴリ剥がして(気持ちいい♪)浮き錆びを軽く落として、POR-15をペタペタ塗って、はい、オシマイ♪



そして最後の大物、クォーターパネルの中!!
ここもウインドウから水や埃が入る構造ながら、水の抜ける穴がどこにもない、という完全な袋構造。しかも、内張りを外すためにはシートも取り外さなければならないので、もう完璧な「開かずの間」状態です。
では、6年ぶりにシートを取り外し(100円玉2個ハケーン♪)おっかなびっくり内張りを外してみましょう。

あ、ヤベ! シートを外す時にひっかけて破けちゃった!! ま、取り付けてしまえば見えなくなる場所なので見なかったことにします(汗;)

おや? 外からは酷そうに見えた左側の錆びは意外にも熔接し直した部分に集中していただけで、けっこうキレイかも? やっぱ6年前に直したばっかりだからね(^_^;)

それよりも凄まじかったのは、おそらく1964年から一度も触っていないであろう右側でした!!!
なんじゃコリャ! 掘っても掘っても出てくる土やら錆びやら古くなった防音材やらコーキングの残骸やらが混然となった堆積物の山! その量、ざっと大きめのどんぶり一杯分!!

それらの堆積物をすっかり掻き出して、ようやく姿を表したクォーターパネルの内部は、もはや“錆びの鍾乳洞”状態(>_<;)。で、表面の浮き錆び(と呼ぶにはスゴすぎますが)をガリガリと掻き落として(スゲエ気持ちいい〜♪)最後にPOR-15をペタペタ。すっかり「腹の中は真っ黒!」になりました(^_^)


これでもう大丈夫。梅雨の長雨だろうがゲリラだろうがどこからでもかかってきやがれ!(^_^)
今回は「外から見えない場所」だけに留めておきましたが、実は、外から丸見えの場所にもいくつかのカサブタが・・・・。思わずガリガリヤっちゃいたい衝動に駆られますが、それを始めたらオールペンまで突き進まなければならなくなるので今回はグッと我慢(>_<;)。どこかで場所を貸してもらえるならオールペンまで自分でやってみたいんですけどね・・・